プラモデルの汚し塗装のやり方とコツ|買取査定に影響を与える要素とは

プラモデルに汚し塗装(ウェザリング)を施すことで、作品にリアルな質感や使用感を加えることができます。しかし、どのように塗装するかや仕上げ方によっては、完成度に差が出てしまい、買取査定にも影響を与えることがあります。
この記事では、初心者でもわかりやすい汚し塗装の基本手法や道具選び、仕上げのコツに加え、買取時に査定額に影響するポイントまで解説します。
リアルなプラモデルを作るだけでなく、適切な仕上げで価値も意識した制作を目指しましょう。
Contents
プラモデルの汚し塗装とは何か?
プラモデルの汚し塗装(ウェザリング)とは、戦車や飛行機、ロボットなどの模型に使用感や経年劣化を表現するための技法です。
新品の状態を再現する通常の塗装とは異なり、泥はねやサビ、ホコリや油染みといったリアルな汚れた様子を加えることで、模型に重厚さや存在感を与えることができます。
たとえば、戦車であれば泥や砂ぼこり、飛行機であれば排気のススや金属疲労の跡、ガンプラなら戦闘でのダメージ跡など、実際の現場をイメージさせる表現が可能です。
こうした汚し塗装を施すことで、単なるプラスチックの模型が、まるで本物のようになり、鑑賞の楽しみが一層広がります。
プラモデルの汚し塗装とスミ入れの違い
プラモデル製作において「汚し塗装」と「スミ入れ」は混同されやすい技法ですが、その役割と仕上がりは大きく異なります。
スミ入れは、モールド(パネルラインや溝)に色を流し込み、陰影を強調するための作業です。
線をはっきり見せることでディテールが引き締まり、立体感が増すのが特徴です。完成した模型をシャープに見せるための仕上げの作業の一つと言えるでしょう。
一方で、汚し塗装は、泥、サビ、ホコリ、日焼けなどの経年変化や使用感を表現する技法。
部分的に塗装を剥がしたり、全体に薄い汚れを重ねたりすることで、実物らしいリアリティやストーリー性を加えることができるものです。
この両者をバランスよく組み合わせることで、より完成度の高い模型に仕上がっていきます。
プラモデルの汚し塗装の基本手法

汚し塗装は、プラモデルにリアルな雰囲気を与えるための大切な表現技法です。
新品のような仕上がりも美しいですが、戦車や飛行機、車両などは使い込まれた質感を出すことでぐっと存在感が増します。
ここでは、代表的な汚し塗装の基本手法をご紹介します。
ウォッシング
ウォッシングは全体に薄めた塗料を流し込み、凹凸やモールドに陰影をつける方法です。流れ込んだ塗料が自然な陰影を生み、細かなディテールが際立つのが特徴。
特に戦車や建物など複雑な形状を持つモデルでは効果が大きく、全体の立体感が一気に高まります。また、単色でのっぺりと見えやすい表面にも深みを与えることができます。
ドライブラシ
ドライブラシは、筆に少量の塗料を含ませてから余分を拭き取り、出っ張った部分だけに軽くこすりつける技法です。
塗料が角やエッジにだけ乗るため、摩耗した金属の質感や日常的な擦れを表現するのに適しています。やり過ぎると不自然になりやすいため、少しずつ色を重ねていくのがポイントです。
チッピング
チッピングは、塗装が剥がれたような表現をする手法です。
スポンジや細筆で小さな点や線を加えていくことで、実際に使用されていた機材の経年変化をリアルに再現できます。
車両や武器の縁、ドアの開閉部分など、摩耗が生じやすい箇所に加えると自然さが増すほか、下地の色を工夫すれば、サビや金属光沢を表現することも可能です。
ピグメント表現
粉末状の素材を使い、泥汚れや埃、サビなどの質感を加えるのがピグメント表現です。
乾いた状態で軽くなじませれば埃の積もりを、湿らせて塗りつければ泥や油のにじみを表現できます。
異なる色を組み合わせることで、使い込まれた複雑な汚れ具合を再現できるのも魅力です。仕上げに定着処理を行えば、自然な質感を長く保てます。
汚し塗装に必要な道具・塗料
汚し塗装を実際に行うためには、用途に合わせた道具や塗料をそろえておく必要があります。ここでは、代表的な手法に対応する基本アイテムをご紹介します。
ウォッシングに必要な道具
エナメル塗料(または専用ウォッシュ塗料)
エナメル用薄め液(溶剤)
細めの筆や平筆
パレットや小皿
ティッシュや綿棒
ウォッシングでは、塗料をしっかり薄めてから模型全体に流し込むのが基本です。凹凸やモールド部分に自然に塗料が溜まることで、陰影や汚れが強調されます。
はみ出した部分はティッシュや綿棒で拭き取れば調整が可能。塗料を薄めすぎても効果が弱くなるため、何度か試して自分に合った濃さを見つけると仕上がりが安定します。
ドライブラシに必要な道具
アクリル塗料や油性系塗料
硬めの平筆(使い古した筆もおすすめ)
ティッシュやペーパータオル
パレットや小皿
ドライブラシは、筆に少量の塗料を含ませてからティッシュなどでしっかり拭き取り、筆先にわずかに残った塗料を模型の角や凸部に軽くこすりつける技法です。
摩耗した金属の質感や擦れの表現に適しています。やり過ぎると不自然になりやすいため、少しずつ塗り重ねて効果を確認しながら進めるのがポイントです。
チッピングに必要な道具
アクリル塗料(下地色+剥がれ表現用の色)
細筆
スポンジ片(メイク用スポンジや梱包材でも可)
爪楊枝など先端が細い道具
パレットや小皿
チッピングは、塗装が剥がれたような表現をする技法です。
スポンジを使うとランダムで自然な傷がつけられ、細筆や爪楊枝を使えば狙った部分に小さな剥がれを描き込めます。
車両のハッチやドアの縁、武器の接触部分など、摩耗が起きやすい場所に加えるとリアルさが増すほか、下地の色を工夫すればサビや金属光沢も再現でき、仕上がりに奥行きを与えられます。
ピグメント表現に必要な道具
市販のピグメント粉末(埃・泥・サビなど色のバリエーション)
定着用のピグメントフィクサー、またはつや消しクリア
柔らかい筆や平筆
綿棒やスポンジ
パレットや小皿
ピグメントは粉末を使って、泥汚れや埃、サビなどの質感をリアルに表現できるのが特徴です。
乾いたまま軽く乗せれば埃っぽい雰囲気に、溶剤で湿らせて塗れば泥や油のにじみを再現できます。
複数の色を重ねて使うとより自然な仕上がりになり、仕上げにフィクサーやクリアで定着させることで長期間質感を保てます。
プラモデルの汚し塗装で初心者が失敗しやすいポイント
汚し塗装はリアルな質感を出せる楽しい技法ですが、初心者の場合はついやりすぎたり、塗料の扱いを間違えたりして失敗しやすいものです。
ここでは、特に注意したいポイントを整理し、どのように対策すればよいかもあわせて紹介します。
塗料を濃く使い過ぎる
塗料をそのまま使うと、不自然にベタッとした仕上がりになってしまいます。汚し塗装は「薄めて重ねる」が基本です。
軽く塗り重ねることで、リアルな陰影や質感が表現できるでしょう。
汚れの位置が不自然
実際の摩耗や汚れは、角やハッチの縁、泥や水が溜まりやすい部分に現れます。
ランダムに汚すだけではリアルさが出にくいので、実物の写真や資料を参考にすると効果的です。
定着処理を忘れる
ピグメントなどの粉末素材は、そのままだと触っただけで落ちてしまいます。
仕上げにフィクサーやつや消しクリアを吹くことで、自然な質感を長く保つことができます。
プラモデルの汚し塗装を活かすジャンル例

汚し塗装は使い込まれた質感やリアルな雰囲気を演出する技法ですが、特に以下のようなジャンルのモデルでは、その効果がより際立ちます。
戦車や軍用車両
戦場で使用されている戦車や装甲車などは、泥や砂埃、塗装の剥がれなどが自然に発生します。
ウォッシングやチッピングを使うことで、実際に戦場で使われたようなリアルな質感を再現できます。
自動車・バイク
古い車両やレースカーなどでは、走行による擦れや汚れが表情を作ります。
チッピングやウォッシングで塗装の剥がれや泥跳ねを表現すると、モデルに説得力が生まれます。
飛行機・航空機
戦闘機や輸送機では、日焼けや油汚れ、金属部分の摩耗が目立ちます。
ドライブラシやピグメントを使えば、機体のエッジや排気口まわりの使用感を表現でき、より立体的で生き生きとした印象になります。
建物・情景模型
ジオラマや建物模型でも汚し塗装は効果的です。
壁のすすけ、柱や床の汚れ、使用感のある小物などを再現することで、作品全体にリアルな生活感や年代感を加えられます。
プラモデルの汚し塗装が買取に与える影響
プラモデルの汚し塗装は、作品にリアルな質感や使用感を加える技法として人気があります。
しかし、買取では必ずしも高値につながるわけではありません。完成度によって査定額が変わるため、技術や仕上がりの差が大きく影響します。
査定で特に重視されるポイント
汚し塗装がされているプラモデルを査定する際、まず重視されるのは「自然さ」です。
泥やサビ、ホコリなどの表現がいかにリアルで自然に見えるかが評価に直結するため、不自然な汚れや偏った表現はマイナス評価の原因となることがあります。
次に注目されるのは、パーツや部品の状態です。汚し塗装とは別に、欠損や破損がないかどうかも査定に大きく影響します。
どんなに汚し表現が上手でも、部品の破損があると評価が下がってしまいます。
さらに、完成度や仕上がりの美しさも重要なポイントです。誰が見ても丁寧に作られていると感じられるかどうかは、買取額に直接影響します。
全体のバランスや細部へのこだわりが、査定での評価を左右します。
買取における汚し塗装の注意点
手をかけた分だけ査定額が上がるわけではなく、個人差の大きい技法です。
過度に汚しすぎたり、不自然な仕上がりになった場合はマイナス評価となることもあります。
買取時に評価を高めるには、「自然さ」と「全体の完成度」を意識しながらバランスよく仕上げることが大切です。
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